それは、思いがけない質問でした。あるとき、友だちから相談があるとメールがあったのです。その内容は「どうすれば、豊かなバストになれるのかしら。豊胸をするのがいいのかなあ」というものでした。彼女は同性のわたしから見てもかわいくて、スタイルだって悪くないし、性格もいいし。非の打ち所がない女性でした。でも、そんな彼女にも人に言えないような悩みがあったのですね。しかも、豊胸をしたいというのですから。
どうして、彼女は豊胸をしたいのか。わたしは別に豊胸をすることもないと言ったのですが、彼女は納得がいかないようでした。「女性だったら、やっぱり豊かなバストになりたいと思うもの。わたしは今のままじゃ満足できない」というのです。彼女に聞くと、今のブラジャーのサイズはBサイズだということ。ずっと前から大きなバストにあこがれていて、バストアップをしようと努力をしたらしいのですが、なかなか効き目がないというのです。
彼女がそこまで思い詰めていることを知ったわたしは、思い切って切り出しました。「それだったら、美容整形で豊胸の施術を受けたら? そういう女性はたくさんいるわよ」とアドバイスしたのです。その言葉に驚いたのか、目を大きくした彼女は最初のうちこそ黙っていましたが、少し立つと「美容整形で豊胸をしてもらうのは、いいかもしれない。思いつかなかった」と言い出しました。どうやら、豊胸に感心を持ったようでした。
豊胸をしようと決意した彼女は、どうやって美容整形を探し出したらいいのか、聞いてきました。美容整形といっても数は多いですし、豊胸の施術をやっているところもたくさんあります。だから、自分に合った美容整形を見つけるのが、とても大切だと。それができたら、理想のバストになれると教えてあげたのです。それを聞いた彼女は、大きくうなずきました。「わたし、豊胸をして素敵なバストになる」と。
数ヶ月がたって、彼女からメールが届きました。豊胸の施術をして、バストがきれいになったという中身でした。ブラジャーはBカップからDカップになり、そのおかげで洋服もサイズが合わなくなって困っていると。でも、困っているわりには、何だかうれしそうでした。わたしも、何だかうれしくなったのです。